プレス・リリース
最高裁、豊中市らの上告棄却!

2011年1月24日

最高裁判所は、「豊中市女性センター館長雇い止め事件」について、被告・豊中市ら上告・上告受理申し立てを棄却する決定を下した(1月20日付け)旨、本日、同裁判所から弁護団に連絡がありました。

この裁判の大阪高裁2審判決は、2010年3月30日に下され、翌31日付の朝刊各紙で報道されております。(例「朝日新聞」

この最高裁の決定によって、以下のような大阪高裁判決が、確定しました。

高裁裁判長は、バックラッシュ(男女平等推進を毛嫌いする流れ)勢力の横暴で陰湿な攻撃の内容を詳しく認定し、攻撃に対して毅然と対峙して男女平等を推進してきた三井マリ子さんを、攻撃に屈して財団から排除したことを、人格権侵害で不法行為にあたるとしました。2審判決の核心部分は以下の通りです。

「事務職にある立場あるいは中立であるべき公務員の立場を超え、控訴人に説明のないままに常勤館長職 体制への移行に向けて動き、控訴人の考えとは異なる事実を新館長候補者に伝えて候補者となることを承諾させたのであるが、これらの動きは控訴人を次期館長には就かせないとの明確な意図をもったものであったとしか評価せざるを得ないことにも鑑みると、これらの行為は現館長の地位にある控訴人の人格を侮辱したものというべきであって、控訴人の人格的利益を侵害するものとして不法行為を構成する。」

2009年8月、国連の女性差別撤廃委員会は、女性差別撤廃条約の実施状況について、日本政府に、「委員会は締約国において男女間の不平等が根 強く存在しているにもかかわらず、女性の人権の認識と促進に対する『バックラッシュ』が報告されていることに懸念を有する。」としています(29条)。そして「条約第5条で要求されている女性と男性の役割や任務に関する文化の変革を推進するよう勧告」しています(30条)。

豊中市ならびに財団は、この条約を誠心誠意進めてきた三井さんを、嘘偽りを弄して職場から追い出しました。高裁の判決後も、被告はその違法性を認めず、最高裁に上告していました。

三井マリ子さんは、このたびの最高裁決定に対し次のように述べています。

豊中市は、男女平等を進めるセンターの館長の私に、職場情報を知らせず、その一方で、『本人は辞めることを承諾している』とデマを流して、私の首を切りました。こんな仕打ちを、高裁は「人格権の侵害」として断罪し、それを最高裁が認めたのです。陰湿で無礼な首切りは犯罪的行為と決まったのです。訴訟に費やした7年間がこれで報われました。今晩から、ぐっすり眠れます。

三井マリ子(とよなか男女共同参画推進センターすてっぷ初代館長、原告)


バックラッシュに屈しなかった原告の勝利を信じて今日のこの日まで伴走してきた私たちも同じ思いです。そして女性の人権が保障される男女平等社会をめざしてなおいっそうがんばります。

館長雇止め・バックラッシュ裁判を支援する会
                       (代表上田美江、副代表木村民子)

問い合わせ先は以下です。
●原告・三井マリ子bekokuma(a)hotmail.com  (a)は@に変えてください
●支援する会広報担当・和田明子akiwada(a)tcct.zaq.ne.jp  (a)は@に変えてください
●常任弁護団 弁護士
寺 沢 勝 子06-6365-8891(団 長)
島 尾 恵 理06-4706-8539(事務局)
宮 地 光 子06-6947-1201
川 西 渥 子06-6316-0370
大 野 町 子06-6365-5215
石 田 法 子06-4706-8539
長 岡 麻寿惠06-6773-6921
渡 辺 和 恵06-6633-7621
紀 藤 正 樹03-3515-6681
越 尾 邦 仁06-6362-5600
溝 上 絢 子06-6363-2191
中 平   史06-6365-8891

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