ぐるーぷ・わいわいのヌエックへの質問状とヌエックの回答


 経過報告

 ぐるーぷ・わいわいにより、8月28日に開催されたヌエックのワークショップについて、三井さんに女性センター問題を講演していただく企画でした。しかし、三井さんを講師とすることを却下され、内容を変えて申し込みました。却下の理由が、「裁判で係争中の一方の当事者の意見だけを主張するような内容はヌエックの主旨にあわない」でした。その後NWECに質問状を送付して、15日付けで回答がきました。この問題は、一つのぐるーぷの問題ではありません。まず広くみなさんにお知らせします。今後の経緯も情報を共有していけたらと思っています。


質  問  状

ぐるーぷ・わいわいのワークショップ申し込みの却下について

2005年8月28日

 

独立行政法人国立女性教育会館

理事長 神田道子様

 「三井マリ子さんは裁判で係争中の方であり、裁判の一方の当事者の意見だけを主張するような内容はヌエックの主旨に合わないのでお断りしたい」とした理由について、文書で9月15日までご回答をお願いします

【事実経緯と私たちの見解】

 6月10日、私たちぐるーぷ・わいわいは、「女性センターで働く人たちは〜三井マリ子さんに聞く非常勤職員の実態」というタイトルでヌエック事業課にワークショップの申し込みをしました。7月4日、電話で「参加決定しています」との返答を当事業課から受けました。ところが、その3日後の7日、その決定が変更される電話がありました。当事業課長の電話によると「三井マリ子さんは裁判で係争中の方であり、裁判の一方の当事者の意見だけを主張するような内容はヌエックの主旨に合わないのでお断りしたい」とのことでした。

 そこで、私たちは、話し合いを続け、やむなく三井さんに講師を辞退していただくという、講師に対して大変失礼な結論を出すに至りました。その旨を三井さんに連絡し、同時に内容や希望会場を変えて再申請をせざるをえませんでした。変更した申込書は7月7日の夜ヌエックにFAX送信しました。9日に電話で問い合わせをしたところ、事業課長から「参加決定しました」という返事をいただきました。

 私たちは、こうしたヌエックの不当な行為に憤りを覚えるとともに、今後このようなことが二度とあってはならないと考えます。「裁判で係争中の方であり」という理由は、ヌエックにおいて過去に同様のワークショップが行われてきたことを考えると、これが正当理由とは考えられません。たとえば住友裁判の原告の報告は過去に何度かありましたし、被告が行政機関の場合でも2001年に東京都中野区非常勤職員賃金差別裁判の原告が報告をしています。なぜ、今回、ヌエックは三井さんを排除したのでしょう。そこにはバックラッシュ勢力から因縁をつけられることを心配したヌエックの過剰ともいえる自己規制が垣間見られます。

 そもそもヌエックは、男女平等を進めるための公共施設です。女性差別を訴えている裁判の原告の話を聞くチャンスを後押しすべきであっても、その機会を制限することは決してあってはならないはずです。

 また、公共施設が他グループとの競合といった理由以外で、企画内容に踏み込んで申し込み却下をすることは集会の自由という基本的人権を侵害するものであり、違法であると考えます。

 今回のヌエックの措置をそのまま認めることは、女性差別と闘う裁判の原告を講師に招くことが出来ないという事態につながりかねません。これこそ、男女平等推進の流れに著しく逆行するものです。

 以上、「三井マリ子さんは裁判で係争中の方であり、裁判の一方の当事者の意見だけを主張するような内容はヌエックの主旨に合わないのでお断りしたい」とした理由について、文書で回答をお願いします。

 「女性センターで働く人たちは〜全国の女性センターアンケート調査より〜」参加者一同  (平成17年度国立女性教育会館施設開放におけるワークショップNo.84)




(NWECからの回答)

ぐるーぷ・わいわい代表 成田真理子様

        国立女性教育会館理事長 神田道子(印)     

拝啓 時下益々御清祥のこととお慶び申し上げます。

先日は当会館を御利用いただきまして、ありがとうございました。

 おかげさまで、平成17年度「男女共同参画のための女性学・ジェンダー研究・交流フォーラム」は1500名以上の方々に御参加いただき、無事に終了することができました。ひとえに御参加の皆様の御協力の賜物と、感謝しております。

 さて、2005年8月28日付の「質問状:ぐるーぷ・わいわいのワークショップ申込みの却下について」に対して、回答させていただきます。

 まず、当初お申込みをいただいた時に、内容を十分確認せずに口頭によるお返事を差し上げたことを、大変申し訳なく存じます。

 当会館の主催事業(主催事業期間中の施設開放利用団体)において、裁判の一方の当事者の意見を主張する活動を主たる内容とするワークショップの開催については、先般御回答申し上げたとおり、現在お断りしております。

 今回は、当初お送りいただいたお申込みが、裁判の当事者を中心としたものであったため、御遠慮いただきたい旨をお伝えさせていただきました。

 それに対して、御了解いただき、貴グループから内容の修正版のお申込みをお送りいただきましたので、お受け入れすると回答を差し上げた次第です。

 これからも、当会館は、全国の皆さまに情報が共有される場を提供させていただき、引き続き活動を支援できる環境の充実に努めて参りますので、御指導、御協力いただければ幸いです。

                                敬具    



*このNWECからの回答に対して、ワークショップ参加者一同は再質問状を送り、10月31日までにNWECに回答を求めています。
ぐるーぷ・わいわいのブログにみなさんご意見を!



出典 全国フェミニスト議員連盟『AFER』Vol.48 (2005.10.15)




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