「あごら」304号 TOPICSより

バックラッシュの黒幕は

三井マリ子裁判提訴一周年記念集会

吉田真理子




 12月17日に大阪ドーンセンターで開かれた豊中市女性センター元館長、三井マリ子さんの提訴1周年記念集会は、折からの大吹雪にもかかわらず、国外からの参加も含め130人以上もがつめかけ、ジェンダーバックラッシュへの怒りを爆発させた。

  第1部は5時間近い講演。まず、三井裁判弁護団のリーダー寺沢勝子さんが「この裁判が問いかけるもの」を、力強く訴えた。

 「1年間の準備書面作成で、豊中市と財団がバックラッシュ勢力に屈したという確証を得たこと、裁判の第一の意義は、全国各地で吹き荒れるジェンダーバックラッシュ旋風に屈しないで、男女平等を進めようということだ」と強調。

 「三井さんの雇止めは、非正規職員であるために簡単に行われたが、現在の厳しい経済状況下、非正規雇用は全労働者の32.9%に達し、その労働条件は、ますます悪化している。

 三井さんも非常勤だったために雇止めにあったが、豊中市の行為は違法であり、今後の裁判で釈明される」と深刻な話しをユーモアたっぷりに解説。聴衆を納得させた。

  続いて常任弁護士の紀藤正樹さんが「バックラッシュ勢力の黒幕」と題して、新興宗教や市場経済との関係を明らかに。

 「霊感商法で年間30億も儲けている大組織が黒幕にある」という話しに、一同ゾクッとしたが、「インターネットによる情報発信や同志との連帯で対抗しよう」という案に、大きな拍手で決意を示した。

 原告の三井マリ子さんは、「この12月17日を<女性労働の搾取を告発する日>としてイベントを」と提案。聴衆は大きな拍手で賛同と共感を明らかにした。

  第2部は軽く飲食をしながら、ジャズの生演奏と歌、そして踊り。 ジェンダーバッシングを吹き飛ばす、すばらしい1日を過ごした。



(出典:『あごら 304号(12・1月合併号)』(発行2006年1月20日 発行所 BOC出版部 編集 あごら新宿))



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