館長雇止め・バックラッシュ裁判

6月6日結審。判決は9月12日です。

高橋 芳恵


 三井マリ子さんが、豊中市女性センター「すてっぷ」を不当解雇され、泣き寝入りすることなく、提訴されてから2年半。6月6日結審しました。この間、毎回入りきれないほど全国から集まる傍聴者を1人でも多く入場させるため「大法廷を使わせて」の取り組み、三井さんの次に館長になった桂さんの証人喚問要請等、全国の支持者が持てる力を出し合って応援してきました。

 これは「私の問題」であり、三井さんは「私の代弁者」でした。年々増え続ける経済格差。「非常勤職の差別撤廃」。私も、長年公務臨職として職員以上の働きをしていると自負して働いてきました。しかし、身分は使い捨て、給料は1/5。独立行政法人化してからは、「単価が高くなったので予算内では雇えない!」と雇い止めにあいました。一時期、民間企業からの派遣、という形で海外勤務も経験しました。その時はエキスパートとしてのビップ待遇。これで、私は使い捨て労働者からエグゼクティブまで経験したことになります。私の能力がその都度変わった訳ではないのに。そして、今は前回雇用時の8割以下の給料で1年ごとの契約社員として働いています。

 近年強まってきた「バックラッシュ」。その集大成が「安倍政権の樹立」なのでしょうか? 度重なる強行採決。着々と戦争の出来る国作りに向かっています。「男女平等共同参画条例」を何としても中身の無いものにしたい勢力が、じわじわと私たちの生活を侵食してきます。

 でも、この結審の日までに一色元豊中市長が去り、一連の三井下しの張本人、本郷部長も定年退職(どこかに天下って、また悪事を働いていないか不安だが)。バックラッシュの先鋒、北川元豊中市議は落選。二代目館長の桂さんは、心身共に不調をきたし3月末に退職届けをだした、ということです。

 三井さんを雇い止めにした、豊中市に何かメリットはあったのでしょうか? 税金で運営されている「すてっぷ」は、市民のためにその内包する力を発揮できたのでしょうか?三井さんが館長をしていた頃は、ノルウェーからのゲストを迎えたり、出前口座を開いたり、真に社会に「男女平等参画」を浸透させるためのプログラムがぎっしりでした。私も、「豊中市民になりたい」と思うほどうらやましく感じていました。   それが、桂さんに代わって・・・。

 桂さんの、真に「男女共同参画事業」をすすめる為に仕事をしようとする意気込みも「ただの事務仕事」のために、使い潰されました。今、「すてっぷ」のホームページを見ても魅力あるものは何も無く、館長が誰かもわかりません。館長はいないのかも知れません??「すてっぷ」に見学に行った人の話では、一見「受験生の学習室」だそうです。もちろん、学校以外にも「学習室」はあったほうがいいですけれど。

 もし、豊中市議の4割以上が女性だったなら、市側も北川元市議などの『暴力団まがいのおどし』に屈することは無かったのではないでしょうか?

 やはり、政治の場に、本物の女性(政府自民党が送り込む『道具』としての『女』ではなく・・・あごら札幌・260号参照)を多く送り込みたい! 私は、この夏の参議院選挙で、社民党から全国区で立候補する「山口たか」さんを応援しています。



 

出典:『あごら札幌』No.271 (2007.06.15 発行)


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