雇用不安定な非正規公務員 

折原由紀子 手話通訳


 私は千葉市の非常勤手話通訳者として、1年契約の更新を繰り返して勤めていた。

 4年目の01年に育児休暇を求めたところ、次年度の契約を打ち切られた。

 そこで日本弁護士連合会に人権侵害救済の申立をし、04年、日弁連から「育児休業及び看護休暇を取得できるよう適切な措置をとるように」との勧告が出され、今も仕事を続けている。私の事例は「非正規公務員 法の谷間」(9月19日朝刊)に載ったが、同じ記事で紹介された各地の事例を見ると、不安定な非正規公務員の実態は改善されていないようだ。

 12日には「とよなか男女共同参画推進センターすてっぷ」の元非常勤館長の三井マリ子さんが、雇用契約打ち切りの不当性を訴えた裁判で敗訴し、26日に大阪高裁に控訴した。館長という役職にあっても非正規だったため、雇用主の都合で契約を打ち切られてしまったのだ。

 28日にも非正規公務員の格差是正を訴える投稿が声欄に掲載された。いつまで非正 規職員は法の谷間におかれ、雇用打ち切りの不安に怯えながら働きつづけなければな らないのだろうか。不安定な実態の改善を願っている。


出典:(『朝日新聞』(2007年10月9日声欄))



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