「炎女」

ファイトバックの会代表・上田美江(スペースえんじょ)

『AFER』 Vol.45より



  2004年を象徴する語は「災」だったが、まさか我が三井マリ子さんがその標的になるとは。これは人災です。生け贄にされたのです。ぜったい許すわけにはゆきません。
よくぞ提訴に踏み切ったことよ、とその勇気と決断を称えます。
どれだけ多くの先輩、姉妹、仲間が、この手のバックラッシュ攻撃の餌食にされてきたことか。その狡猾さ、卑劣さになす術もなく立ちすくむしかなかった彼女らの、呻きや叫びが聞こえます。場合によっては命がけ。人間性を壊されかねないところへまで追い詰められるのですから。
 女性の被害に傍観は許されません。傍観は加害者に有利に働きます。三井さんを雇止めした理由が「非常勤館長廃止の組織変更」ただそれだけだなんて、笑止千万ではありませんか!
 本当の理由はお役人のことなかれ主義でしょう。彼らは、ファシズムにかぶれた女性差別主義者の暴言に振り回されて、闘うのをあきらめたのです。
 残念でならないのは、そのお役所体質にメスを入れ、男女共同参画推進逆行に歯止めをかけなければならなかった理事たちの不勉強、人権感覚の欠如です。
 わがシェルターの名前は『スペースえんじょ』ですが、2005年は三井マリ子さんの裁判を勝ち取るべく『スペース炎女』になるつもりです。不知火のごとく炎を燃えひろげようではありませんか。



 

(出典:『AFER Vol.45』(全国フェミニスト議員連盟 2005.1.25発行) )

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