「館長雇止め・バックラッシュ裁判」 いよいよ判決

三井マリ子              
豊中市男女共同参画推進センター初代館長



 「館長雇止め・バックラッシュ裁判」は、9月12日、判決を迎えます。非常勤職員使い捨て政策と、バックラッシュ勢力にパンチを食らわせるような判決が出るよう願っています。

 私は、2000年秋、大阪府豊中市の男女共同参画推進センター「すてっぷ」の館長に全国公募で選ばれました。「男女平等の精神を社会のすみずみに根づかせよう」と誠実に仕事を続けてきました。評価されこそすれ、クレームをつけられたことなどありませんでした。なのに、理由も明確にされずに首を切られたのです。

 採用時の手法の大がかりさと、首切り時の手法の陰湿さ。豊中市の態度の、この極端な落差は裁判の大事なポイントです。

 ある日、市は「『すてっぷ』を充実させたいので職員体制を強化するため館長を常勤にする」と言い出しました。次に、「館長ポストを廃止し事務局長をトップにする」と変えてきました。非常勤館長である私を排除するために、ポストそのものを無くそうとしたのです。しかし、館長廃止は手続きが煩雑だとわかり、最終的には、館長職を常勤職にするとしました。

 一方で市は、内密に後任の館長を決定していました。そのことを知らなかった私は、常勤ポストに採用される資格があると考えて手を上げましたが、もちろん採用されませんでした。

 「あなたは組織に不要となった」と正面きって通告するならまだしも、実に陰湿な手法で首切りをしたのです。情報からの徹底した疎外。労組や評議員やすてっぷ利用者への嘘。公文書の改ざん。あげくは、私に問いただされた部下の事務局長が「私は三井さんを裏切りました」と言い出す始末です。

 豊中市は、なぜ、こうまでしたのか。

 私や「すてっぷ」を嫌うバックラッシュ勢力が議会にいました。彼らは、「ジェンダーフリーはセックスフリー。家庭崩壊につながる」などと間違ったことを吹聴します。与党なのに、市の「男女共同参画条例案」にも猛反対でした。猛攻を受けた市は、予定していた議会に条例案をかけることを断念します。半年後には条例案を成立させねばとあせる市。猛反対の与党議員。当局は議会対策を重ね、「これで条例案は成立する」と確信を得たところで、次の議会に上程します。その議会で、バックラッシュ議員たちは強固な反対意見を唱えつつ賛成に回ったのです。この奇妙な事実と私の首切りは関係があると私は思っています。

 この裁判は、私自身の尊厳のため、我慢を強いられている無数の女たちの尊厳のためにあると確信しています。最後まで支援をお願いします。


(出典:「議会に女性をおくる会ニュース No.31」(2007年8月31日発行)

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