変ね! なぜ?

館長雇止め・バックラッシュ裁判原告

すてっぷ初代館長  三井 マリ子


前回7月4日の交流会風景。
左手前が大野町子弁護士、原告三井さん、その隣が寺沢弁護士です。
2005.7.4 プロボノセンター  撮影:岡橋時子


 7月4日(月)は、豊中市らを相手に提訴した「館長雇止め・バックラッシュ裁判」の第4回目。初めて原告側が被告側の言い分に反論する日のはずでした。
 被告は、原告を雇止めしたのはバックラッシュ勢力に屈したためではなくて、単に、すてっぷ(男女共同参画推進センター)の体制を強化するために組織を変更して非常勤館長ポストを廃止したにすぎないのだ、などと述べてきました。
 原告は、この被告側の言い分すべてに反証するつもりでした。しかし、被告側から出てきた文書と証拠には、矛盾が多いように原告側には見えました。そこでまずは、「変ね!なぜ?」という質問をすることにしました。これを裁判用語で「求釈明(キュウシャクメイ)」というのだそうです。今回の「求釈明」は5点。全文はファイトバックの会ホームページに公開してあります。ここでは2点だけ要約します。
 1つ目は、すてっぷの憲法ともいうべき『寄付行為』を策定した豊中市自身が、それに違反する行為をした点です。
 寄付行為は財団法人の基本的ありかたを定めたものです。そこには館長を置くことが明記されています。
 豊中市と財団は2003年10月15日に、館長職廃止を内容とする組織体制の変更案を作成したのだそうですが、翌年1月10日になって、臨時理事会開催のための話し合いのなかで、館長職の廃止には寄付行為の変更が必要であると指摘されたので館長を廃止しないことにしたのだ、と主張しています。館長廃止には寄付行為の変更が必要で、しかもそれには理事の4分の3の賛成を得なければならないのですが、そんな大事なことを、2004年1月10日に誰かから指摘されるまで市の幹部が考えてもみなかったということになるのです。これはどう考えても変なのです。
 でも、「トップの意向で」急遽、男女共同参画推進条例が可決された議会の終了後に原告の首斬りが決まり、それに伴って、あたふたと…、ということなら考えられなくはありません。
 2つ目。館長常勤化は組織強化のためであって、その時期は2004年度をおいてなかったと被告は主張するのですが、2003年12月付けの2004年度の予算要求説明書には、館長が非常勤のままの人件費しか見当たりません。非常勤館長の2倍から3倍にもなる常勤館長人件費について予算説明も準備しないとは、いったいどういうつもりなのでしょう。
 原告が受け取ったその時の予算書には、館長は非常勤のままであるだけでなく、市からの派遣職員3人分が事務局長、総務主任、事業主任として載っています。市役所からの派遣職員は、賃金のほか各種手当、職員共済組合負担金等が計上されているから一目瞭然なのです。それなのに市は、2004年度から館長が事務局長を兼務するように決めたと主張し、2003年12月には、事業課長をプロパー(財団固有の常勤職員)にするための予算が認められた、とまで言うのです。しかしそんな大切な変更があったにしては、それも予算書にはまったく反映されていません。変です。
 被告側の『釈明』を待って、私たちはさらに反証します。

『WWNニュースレター 40号』(2005年8月1日)


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