館長雇い止め・バックラッシュ裁判を支援しよう」初報告会に出席して

         (2005年1月29日 クレオ大阪中央)

 

 ご存知の方も多いと思うが、市としては全国で初めて公募による館長を採用した豊中市の男女共同参画センター「すてっぷ」は、その採用基準が年齢・性別・国籍を問わずということで話題になった。全国からの60名あまりの応募者から選ばれたのが三井マリ子さんである。2002年のシャキットせんまいけ・とやま女の政治塾の開講の際にも講師としてきていただいている。「すてっぷ」は多くの女性たちが注目していたのである。

 私の肩書きは「原告」ですという言葉から、三井さんの報告が始まった。2004年3月で館長職を雇い止め、実質的な解雇、というよりは排除・抹殺ということだと説明があり、昨年の12月7日に提訴にいたったといわれた。

 大阪へ行く車中で訴状を読んでいったのだが、正直読んでいてその排除にいたるまでの用意周到なやり方と、ことなかれ主義の行政の態度に、気分が悪くなった。

 会場は弁護団7名のうち3名の出席もあり、60席の椅子がたちまち足りなくなるほどの人達とその熱気にあふれていた。また弁護士の話は、どこにこの裁判の目標をおいたかという点で大変興味深いものであった。

 これまでのいろんな労働裁判は、企業が被告となるケースが多いが、今回は行政と財団を裁判にひっぱりだすことが重要であること。不当労働行為を認めさせることに意義があること。その意味で館長の復職を目的とはせず、慰謝料の支払いで争うことにしたこと。

 現在の裁判の方向では、復職という判決は期待できず和解になることが多いこと。行政はバックラッシュ勢力に飲み込まれており、これは男女平等の後退であること。

 「戦います!」と力強い言葉があった。参加者の中には、住友裁判で勝利(和解)された方もいて、その時の和解金で裁判基金を設立しこの裁判が第一号であると話された。

 「10年の間仲間に支えられて戦ってこられたのは、泣き寝入りしない・おかしいと思ったら戦う・男女平等を後戻りさせないという思いがあったからです」とこれも力強い言葉があった。この裁判は、これからの日本にも大事な裁判になっていくだろう。

 2月2日、初公判が大阪地裁であり高木さん、山下さんが傍聴に参加。その時も多くの人達が各地から応援に集まったと聞いた。この戦いがバックラッシュ裁判として、全国的に支援がひろがっていくことを期待したい。ぜひ富山でも支援していきましょう。

                   (橋本 悠紀子)

『シャキット情報 No.54』 (編集・発行:シャキット富山35事務職  2005.2.13)

 

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