全国に広がれ!支援の波

館長雇止め・バックラッシュ裁判

使い捨てにされてたまるか

「女性ニュース」



  とよなか男女共同参画推進センター「すてっぷ」の初代館長だった三井マリ子さんの「館長雇止め・バックラッシュ裁判」東京シンポジウム(主催・ファイトバックの会@東京、共催・全国フェミニスト議員連盟世話人)が、このほど、文京シビックセンター(東京・後楽園)で開かれた。会場は満席、関心の高さをうかがわせた。シンポジウムでは、裁判の意義決意を原告と弁護団が話し、裁判の“応援団”、参加者からの発言が相次いだ。
 既報の通り、この裁判は2000年秋、全国公募で同センターの館長に採用された三井さんが、執拗なバックラッシュに根負けした形の豊中市から、昨年3月末、雇止めになったことに対し、損害賠償を請求したもの。提訴の本質が、男女平等の動きに対するバックラッシュ(逆流)と、非正期雇用労働者問題という、もっとも今日的な課題を提起するだけに注目される。運動の成果が、裁判の行方を左右するともいわれ、この裁判を応援しようと、大阪をはじめ、松山、富山でも支援が広がり始めている。
 同センターは、開館以来、館長の三井さんによるユニークな企画と、抜群の行動力で全国から注目されていた。「最低4年は、館長を」と再三言っていた同市、三井さんもその気で頑張った。だが、アメリカのブッシュ政権誕生とともに、日本にも上陸したバックラッシュは、男女共同参画社会基本法制定後、各地で始まった地方自治体の男女共同参画条例づくりの妨害という形で顕著になった。豊中市でも市議会をはじめ、館長やセンターに、市民と称する人々からの、いいがかり、脅し、誹謗中傷が相次いだ。市側は当初この動きに対峙したが、2003年、センターの嘱託職員(全員女性)の就業規則改悪を提示、非常勤館長の常勤化という組織変更で、三井さんを雇止めにした。常勤館長の人選は、内密に行われ内定。その後、三井さんに常勤館長の面接試験まで行って不採用通知を渡した。
 シンポジウムで、提訴までの経緯と、闘いの決意を述べた三井さんは「これから、原告として生きていく。20歳代から男女平等のために運動をしてきたが、この裁判は、人生の中で最大の仕事になるという思い」といい、「使い捨てにされてたまるか、という意気込みでいるので、支えて欲しい」。
 現在、この裁判は38人の代理人による弁護団が結成されている。そのうちのひとり、紀藤正樹さんは、「解雇」と「雇止め」の法律的意味合いが異なることを示し、「多くの労働裁判は和解という形が取られることが多い。この裁判は、時間がかかると思うが、重要な裁判になる」と話す。ジェンダーフリーに対するバックラッシュ問題を浮き彫りにする事件になるだろうし、後日まとめとみると、教科書的なものになるだろうとも。バックラッシュ勢力の裏には、右翼、 宗教団体の存在があるといわれている。「イデオロギー実現のためには資金が必要。その資金を絶つこと」と語った。
  シンポジウムに参加したILO駐日代表の堀内光子さんは「国連で、ジェンダー平等は、最優先課題。日本との落差にものすごいものがあると感じた」と話していた。

●次回公判は、7月4日(月)午後1:30から 大阪地裁809号法廷で。
●裁判の支援はファイトバックの会:Tel 06-6365 -5215
●カンパ: 郵便振替口座 00910−0−137307 口座名 ファイトバックの会 
1口1,000円(何口でも)



 

(出典 「女性ニュース」2005年5月20日より)

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