神戸新聞 2006年7月19日夕刊 随想

男女共同参画とバックラッシュ

正路怜子


神戸新聞記事

 コラボーヨ、アミカス、クレオ、アイメッセ、ティルル、チェリア・・これは各地にある男女共同参画センターの名前です。

 21世紀の最重要課題として、1999年に男女共同参画社会基本法が国会を通過して7年、縦割り行政のなかで、ジェンダーの主流化をいかにして定着していくか、いずれも少ない予算で、有期雇用の職員を抱えて、男女共同参画センターは苦悩しています。

 ます。 こういったセンターの一つ、豊中市のすてっぷで全国公募した初代館長三井マリ子さんが、豊中市と財団相手に、「館長雇い止め・バックラッシュ裁判」をしているのをご存じですか。(詳http://fightback.fem.jp)

 彼女は北欧の女性政策に詳しく、東京都議会議員を2期つとめ、全国フェミニスト議員連盟を立ち上げてたくさんの女性議員を育ててきた人ですから、そのユニークな企画はたびたびマスコミに取り上げられ、すっかりすてっぷは有名になりました。

 ところがバックラッシュ勢力にとって、彼女の取り組みは気に入らず、嫌がらせが始まりました。条例を通したかった豊中市は、「看板の役割は終了。常勤館長に変えたい」と、彼女を3年半で雇い止めしたのです。

 豊中市はどうしてバックラッシュ勢力に屈したのか、日本の男女平等政策はどうあるべきか、有期雇用だからと言って簡単に首にされていいのか、彼女が裁判で投げかけた問題です。

 「けた問題です。 「係争中の案件に関わっていないこと」と今夏のヌエック(国立女性教育会館)のフォーラム募集要項。係争中だからこそ、みんなで議論したいのに、行政は何を怖がっているのでしょうか?

(しょうじ・れいこ=働く女性の支援団体WWN会長)



(出典:神戸新聞 2006年7月19日夕刊)



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