何でも話そう女・こどもと戦争

盛生 高子さん


 元都議会議員の三井マリ子さんをアドバイザーに迎えてフリートーク集会を開きました。戦争の出来る国を作りたい勢力にとって何より厄介なのは、ものを言う女たちが増えることだろうと考えて企画しました。まず三井さんから今起きている女性への攻撃がどんなものであるかについてお話していただきました。その概略は―――。

 いま日本中に吹き荒れているバックラッシュ(反動、逆流)の嵐は、単に男社会のフラストレーションによる単発的なものではなく「日本会議」「新しい歴史教科書をつくる会」などの全国的な組織力によるものであるといわれている。これらの組織は指南書を作って全国で攻撃を仕掛けている。殊にジェンダーという言葉には「家庭を壊し、国を破壊する」というあらぬ宣伝をして陰湿なバッシングを行っている。混合名簿に対してもおなじ流れを汲む「教育再生地方議員百人と市民の会」という組織を作って地方議会に圧力をかけて妨害している。男女共同参画条例にたいしても同じような攻撃がみられる。この組織はインターネットで検索できるから、自分の市では誰がバックラッシュ派か調べて欲しい。戦争は、支配と被支配、差別と抑圧によって起きるのであって、女性に対するこの攻撃は憲法改悪の下地づくりです。

 また日本の女性に特に多いパート、派遣、非常勤という非正規雇用は解雇闘争もままならない低賃金の使い捨て労働であって、女性の自立を阻んでいる。これでは常に上司にへつらっていなければならない。同じパートでも北欧の国々では時間が短いだけで、休暇を始め全ての権利は全く正社員と同じです。

 私はいま裁判を起こしています。それは非常勤で女性センターの館長であった私に対する右翼的勢力からの誹謗中傷攻撃に屈して雇い止めをした豊中市に対するものです。バックラッシュに泣き寝入りはしないという表明でもあります。また日本の女性の置かれている不安定な雇用を問題にしたいからです。

 おおむね以上のようなお話をうけて自由な発言に入りました。残念ながら12人の参加者でしたが、少しのあきもない程の発言が続き、国立市で小学校の男女混合名簿が校長の裁量で次々とやめさせられているという発言には三井さんも大変驚いていました。国分寺市議会では混合名簿の継続を合意しています。議会にどんな議員を送るかの大切さ、すなわち選挙の大切さを改めて考えました。

 今、中国で起きているデモにも通じる強制連行、花岡鉱山の虐殺などを話す人もありました。過去の戦争の回顧ではなく、これからどうすべきかに話が集中出来たことはよかったと思います。

 このような集会に初めて参加した数人に聞いてみましたら「戦争に向かっているようで凄く怖い」と言っていました。組織的な戦争への流れに対抗するのには市民のいっそうの学習と団結以外にないでしょう。だから多くの人たちにいかに発言する仲間になってもらえるかが勝負だろうと考えます。


出典:『ピースウィークin くにたち』 2005年4月17日(日)公民館 主宰(平和を願う市民の会)





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