館長雇用拒否訴訟:雇い止め、人格権侵害 三井さん逆転勝利――大阪高裁
 
(毎日jp 2010年3月31日)


 大阪府豊中市の「とよなか男女共同参画推進センターすてっぷ」の館長だった女性政策研究家の三井マリ子さん(61)=東京都三鷹市=が、不当な雇い止めをされて精神的苦痛を受けたとして、市などに1200万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決が30日、大阪高裁であった。塩月秀平裁判長は「三井さんを排除する明確な意図があった。人格権の侵害に当たる」として、請求を棄却した1審・大阪地裁判決(07年9月)を変更し、150万円の支払いを命じた。

 判決によると、三井さんは00年9月、初代館長に就任。1年契約で3回更新されたが、03年度末に雇い止めされた。三井さんは更新を希望し、館長公募にも応募していたが、「体制の変更」を理由に退けられた。

 判決は、三井さんを組織的に攻撃していた男性市議(当時)らの圧力が雇い止めの背景にあったと認定し、「市の部長(当時)らは男女共同参画推進の象徴的存在だった三井さんを排除したい一部市議らに屈した」と指摘。新館長の候補者を探した元部長の行動について、「三井さんを館長に就かせない明確な意図があったと評価せざるを得ず、その時点で館長だった三井さんの人格を侮」する」として不法行為と判断した。

 判決後に会見した三井さんは「男女平等が嫌だという人たちから排除された。主張を認めてもらってうれしい」と話した。一方、豊中市は「一部の主張が認められなかったのは残念。判決を精査して今後の対応を検討したい」とのコメントを出した。【日野行介】



出典: 毎日jp (毎日新聞)  (2010年3月30日)

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