館長雇止め・バックラッシュ裁判

ファイトバックの会@岩国 勝又みずえ



 9月12日、大阪地裁で三井裁判に判決が下された。提訴以来2年9カ月。勝利の願いもむなしく、「棄却」だった。

 さて、この裁判は、2004年12月、大阪府豊中市の女性センター初代館長であった三井マリ子さんが、「理不尽な雇止めをされ雇用継続を断たれたのは違法だ」と提訴したことから始った。

 全国公募で選ばれ、市や財団からも評価されてきた三井さんが突如首にされたのは、男女平等を嫌ういわゆるバックラッシュ勢力が市議会にいたことが原因だった。証拠で出されているだけでも目を覆いたくなるほどの三井攻撃。また、館長とはいえ非常勤だったことが根底にあった。

 提訴後、裁判の報告会が全国的に開催され、共感と連帯が瞬く間に広がった。一方、行政相手の裁判であることから、マスコミの消極的姿勢や、行政に関わる研究者の冷淡な態度など大きな困難にも出会った。しかし、だからこそ、ますますこの裁判の意義を思わずにはいられない。

 私は傍聴も重ねてきた。毎回、全国からの支援者が、傍聴席はもとより、廊下にあふれた。法廷後の弁護士解説付き交流会も満席で熱心にメモをとりながら勉強した。現在、賛同人約800人、ブログ訪問者9万人に達する。

 男女共同参画社会基本法成立後、約10年。それを推進すべき拠点で起きた最大級の女性蔑視。これを許したら女性の明日はない。

(出典:『AFER』No55 全国フェミニスト議員連盟 2007年11月15日)


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