「すてっぷで何があったの?」 

 木村民子(東京・文京区)


「ふぇみん記事」


 2000年秋、大阪豊中市男女共同参画センターすてっぷ館長に全国公募で選ばれた三井マリ子さんは、形ばかりの選考試験の結果、2004年3月末、雇止めされた。その間、三井館長の比類なき業績は市や財団、市民たちから認められていたにも関わらず、である。突然された背景に議員等による執拗なジェンダー攻撃があったことを、三井さんは法廷の場に持ち込み明らかにした。

 1月19日、板橋区内で行われた館長雇止め・バックラッシュ裁判東京支援集会報告集会は大入り満員。この日は三井さんの胸に迫る実態報告と紀籐正樹弁護士の示唆に富む報告があり、この裁判の意義と中身を確認できた。三井さんは一審で敗訴したが、男女平等が世界の趨勢になっている今、被告側は「がけっぷち勝訴」だったという。

 ゲストの日本女性学習財団前理事長の藤原房子さんは同財団が受けたバックラッシュを国会での議論も紹介しつつ、マスコミ報道の偏りにも触れて説明した。また、前ILO駐日代表の堀内光子さんは雇用の終了についてのILO第158号条約の課題を説明し、今後は使用者側の「挙証責任」が問われると指摘。短い時間にも関わらず、重厚な資料を基にした内容の濃い学習会となった。

 会場からは、質問のほか、「私たちのためにも勝ってほしい」「自分の受けたバックラッシュを思い出し怒りが沸いた。何としても勝訴を」などという熱のこもったアピールが続き、2月26日の大阪高裁の二審に向けて大きな弾みとなった。

(出典:『ふぇみん』 2008年2月5日 第2848号 発行)




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