三井マリ子さんの裁判 請求棄却の判決!

金田 佳枝



 豊中市女性センター「すてっぷ」の初代館長だった三井マリ子さんが、館長職を追われたのを不当として提訴していた「館長雇止め・バックラッシュ裁判」の判決が、07年9月12日大阪地方裁判所であり、請求棄却の判決がありました。

 三井マリ子さんは全国初めてという公募による館長職に応募。2000年9月豊中市女性センター館長に就任されました。その情熱をこめた仕事ぶりは視野が広く新鮮で、“「すてっぷ」にいくと勇気が出る”と女性たちから大変好評でした。

 川崎でも「すくらむ21」ですすめる会は、三井さんを講師にお呼びして元気のでるお話をうかがったことがあります。(02年1月シンポジウム「女性の政治参加のいま・みらい」)。

 しかし、豊中市には男女平等を進めようとする三井さんの仕事ぶりを嫌っていた勢力が議会におり、こうした人たちは「男女共同参画条例」策定にも反対。条例制定を急いでいた豊中市は三井さんを排除することを画策し、後任人事も三井さんが知らないうちに決めてしまいました。

全く情報から隔絶された状況の中で、理由も不明確なまま解雇された三井さんは泣き寝入りすることなく、2004年末に大阪地裁に提訴。2年半の裁判を経て今回の判決となりました。

三井さんを支援している「ファイトバックの会」のHPによれば、判決に備えて、結審には原告側から04年末の提訴以来の法廷でのやりとり、裁判の経過、年表、被告側の矛盾などを一つ一つ検証し、最後の主張としてまとめ、「最終準備書面」を裁判所に提出しました。

 判決は原告側が主張したかなりの事実を認めながら、結論としては「違法とは言えない」とし、請求棄却の判決というねじれたものでした。

 この裁判は、三井マリ子さん個人に対する人権侵害問題だけでなく、男女平等を阻もうとするバックラッシュ攻撃、2000万人ともいわれる非常勤で働く多くの人たちの権利擁護、男女共同参画条例制定などに関しても多くの問題点を含んでおり、それらが論じられないまま、今回の判決の結果がこのような形に終わったことは大変残念なことでした。


「最終準備書面」や詳細については下記にお問い合わせ、またはご覧下さい。
館長雇止め・バックラッシュ裁判を支援する会(ファイトバックの会)
  Tel 06-6365-5215
  HP


(出典:「川崎の男女共同社会をすすめる会通信 No.99」 2007年9月20日)
川崎の男女共同社会をすすめる会


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