豊中市女性センター館長だった三井マリ子さんが雇い止め

怒りをこめて控訴しました!

岡田夫佐子:吉川富士子 (ファイトバックの会)



『ワーキング・ウーマン』

 2000年9月に辞令交付を受け、大阪府豊中市女性センター(正式名:とよなか男女共同参画推進センターすてっぷ)館長となった三井マリ子さんが2004年3月に雇い止め(解雇)されました。豊中市は、男女平等社会実現のために積極的に様々な企画を立てて仕事する三井さんを、組織強化のための体制変更と称して、排除したのです。しかも、そこには「三井さんは辞めると言っている」とか、「次期館長は第一義的には三井さんです」といったうそをついて、三井さんを情報から遠ざけ、秘密裏のうちに後任館長を決めてしまったのです。

 全国公募で選ばれ、仕事の実績を評価されてきた女性センター館長が、このように姑息で卑怯な扱いを受けていいはずがありません。豊中市が、評価から排除へと三井さんへの態度を豹変させた背後には、バックラッシュ勢力と言われる男女平等社会の実現を阻もうとする全国的で組織的な動きがあります。豊中市でも、一人の市会議員(現在は落選中)を中心としたいくつかの動きが続き、ついに“三井排除”へと態度を豹変させたのです。

 これに対して、三井さんは2004年12月17日「損害賠償請求訴訟」の裁判を起こし、女性弁護士を中心とする39名もの弁護団とともに、大阪地裁で闘ってきました。全国規模での様々な支援活動や、豊中市議、後任館長となった桂さん等の証言も得て、たくさんの事実関係を立証してきたにも拘らず、一審判決(2007年9月12日)は負けてしまったのです。裁判所は、立証した多くの事実関係を認定しつつも、雇い止め自体は「違法とまではいえない」と、三井さんの訴えを棄却しました。
 三井さんは、これを不当判決として同年9月26日に大阪高等裁判所に控訴しました。

 三井さんは訴えています。「非常勤職の雇い止め、豊中市のうそ、不正の背後にあるバックラッシュという2大テーマを扱う訴訟です。難しいテーマですが、闘わなければ解決の糸口すら見えてきません。控訴審に向けて歩み始めます。みなさま、さらなるご支援を心からお願いいたします。」と。
 この裁判が負けるということは、三井さん一人の負けにはとどまらず、男女平等社会の実現を目指す理念そのものが、それを阻もうとする勢力に負けることになる、と強く感じます。さらに、非常勤職とはいえ、高い専門性をもって企画、立案してきた仕事を評価されこそすれ何の落ち度もないのに、合理的,正当な理由なくして雇い止めすることも許してはいけないと思います。弁護団も怒っています。「非正規職員の契約の更新による期待権を認める‘86年の日立メディコ最高裁判決からも後退する判決であり、断じて容認できない」と。

 上記2点により、この裁判どうしても勝たせたい、勝って欲しいと願うものです。

 来年4月に、ワーキング・ウーマンと、三井裁判支援の会であるファイトバッグの会との共催で、学習会を兼ねた報告集会を名古屋で準備しています。ぜひこの機会に、三井裁判を知っていただき、勝訴に向けて、皆様のお力添えをいただきたくお願いするものです。

              

(出典 『ワーキング・ウーマン 第129号』(2007.11.10.  男女差別をなくす愛知連絡会))

ワーキング・ウーマン


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