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三井裁判報告会を終えての感想
岡田夫佐子記
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私が三井裁判を知ったのは、昨年の春以降徐々にであり、実際に裁判傍聴に大阪まで足を運んだのは、9月12日、一審判決の日が最初でした。インターネットのブログやホームページからの情報では何となく「勝つ!」予測でした。それがふたを開けてみれば、開廷からわずか5分もたつかたたないで、「棄却する」との裁判長の声が聞こえ、傍聴席からは戸惑いの声が聞かれました。三井さんご本人は、うつむいてなかなか席を立とうとされず、その時間がとても長く感じられました。その後の「弁護士解説付き交流会」にも参加して、傍聴者が全国から集っていること、ファイトバックの会という支援組織はあるが、どちらかというと弁護団のほうが運動をリードしているというような印象を受けました。私がこの裁判を知った時、すでに支援組織は全国版になっており、弁護団も40人、うち常任弁護士13人という大所帯でした。そこで私が感じたことは、この裁判が負けるということは、三井さん一人の負けに留まらず、男女平等の理念に理解と熱意を持つ40名もの弁護団もろとも負けることであり、全国から結集している社会の男女平等化を強く望む多数の女性たち全体が負けることになる!!というものでした。これはもう、「男女平等」という理念そのものの負けであり、後退であると思い、何としてでも勝たなければ、勝たせなければ、との気持ちが強く沸いてきたのでした。
各地で報告会が予定されていく中で、名古屋での報告会開催の気配は感じられず、ならば自分が呼びかけて、と自然と体と心が動き出したのでした。とは言え、長く、こうした運動にかかわってこなかった私が一人でできることではなく、どこかのグループ、団体に頼るしか方法はなく、そこで登場したのが多少のご縁のあったワーキングウーマン(以下,WWと表記)でした。
報告会の成功の鍵は、WWが共催(といっても実質主催みたいなもの)してくれたことに尽きる、と言って過言ではない、と思っています。WWには、名古屋の男女平等を求める確かな女性たちが多く集っていることに驚きました。まるで、私の知らない20数年間の男女平等への歩みをその顔ぶれにみるがごとくでした。チラシを配るのにも、新聞に載せてもらうのにも、ファイトバックの会というより、WWと言うほうがずっと通りがよく、ほぼ一貫して使わせてもらいました。そんなこんなで有形、無形のWWの応援を受け、名古屋でも“館長雇い止め・バックラッシュ裁判”の存在をかなり広く知っていただくことができたのでは、と思います。
報告会に参加していただいた方々には、「バックラッシュ」と言われる勢力の実態を三井さんの具体的な話から実感していただけたのでは、と思います。また、質疑応答の時間には活発なやり取りが続き、有意義な意見交換ができた、と思います。中でも、ご高齢のはずの水田珠枝さんから、かくしゃくたる意見を出していただき、一気に議論を高みへと押し上げていただきました。その中のキーワードとなる「合理性」という言葉は今も私の心と頭になり響いてやみません。
さて、報告会は終わりましたが“館長雇い止め・バックラッシュ裁判”はまだまだ続きます。どうか、今後も関心を持って見守っていただきたく、お願いいたします。
世間の注目は裁判官の大きな関心ごとになる、と宮地弁護士は繰り返し言っています。裁判傍聴人が増えて、大法廷に舞台を移すことができれば、裁判官へのインパクトは強まるはず。
第2回控訴審は、2008年6月5日、午後1時15分〜大阪高等裁判所 74号法廷です。
出典:『ワーキング・ウーマン:男女差別をなくす愛知連絡会』
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