「きわめて不当な判決」

                                   

2007年9月12日 三井マリ子代理人弁護士一同

きわめて不当な判決である。

本件は、男女平等を阻もうとするバックラッシュ勢力に屈した豊中市と財団が、1年契約の非常勤館長雇い止め、常勤館長採用拒否の形で原告をすてっぷから排除した事案である。

原告は全国公募で2000年9月1日、被告財団に雇用され、1年契約を更新しながら、男女平等の実現のためすてっぷの館長として仕事をしてきた。

原告の実績については被告市、被告財団ともに認めているが、被告らは市をアピールするための看板としての役割は終わったとして原告を組織体制の変更に名を借りて、2004年3月31日雇い止めした。

非常勤館長を廃止する組織体制の変更はすてっぷの強化のためであるとしているが、原告の後任の桂館長(2007年3月31日退職)さえも、「仕組みとして強化になっていない。」と証言している。

被告財団事務局の組織体制の変更であれば、当然に財団事務局内で充分な議論と検討がなされるのが通常であるが何らなされず、被告市が決定した。

非常勤館長職廃止を決定した市は平成15年10月中旬から予算の確保ができたとして、常勤館長の人選を始め、平成15年12月16日には桂前館長に決めて前館長の職場であった寝屋川市にも挨拶に行き、他方、「第1義的には(常勤館長は)三井さんです。」と被告財団の事務局長は言ってきた。

2004年2月22日に常勤館長の採用面接が2人に対して行われたが、それに先立つ2月9日に「三井さんが残りたいと言っているのに行く気はありません。」と言う桂前館長に市は「桂さんしかいない。」と説得し、その説得した本郷部長が選考委員になって形ばかりの選考を行い、原告を採用拒否した。

これらの事実はいずれも、証拠により明らかになっている。

判決は証拠を正しく見ず、その結果、強まっている男女平等に対するバックラッシュ攻撃に与し、男女平等を後退させる判決をした。また、非正規職員の地位についても、契約の更新による期待権を認める1986年12月の日立メディコ判決最高裁判決からも後退する判決であって断じて容認できない。

また、この裁判の過程で明らかになったのは、豊中市が予算等について法令に則らずに、市長が決め、財団の館長人事を決めたことであるが、判決はこれに対しても何らの判断をしていない。


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