桂容子さんの証人申請が認められました


「桂容子さんを証人とします」ーーーこれが、2006年12月25日の大阪地裁809号法廷での山田省三裁判長の言葉でした。みなさん、桂容子さんの証人申請が認められたのです! 桂さんが法廷で正直に証言してくれたら、豊中市のこれまでの矛盾がすべて明らかにされるはずです。今年最後の、最大のヒットです。みなさん、裁判長に証人申請のハガキを何回もしぶとく出してくれたおかげです。しぶとくがんばってくださって本当にありがとう!!


声  明

                

2006年12月25日

  本日、大阪地裁にて行われた「館長雇止め・バックラッシュ裁判」で、山田陽三裁判長は、私たちが要望していた、桂容子・「すてっぷ」館長の証人尋問を行うことを決定しました。この決断を高く評価するとともに、一色貞輝・前市長の証人採用を見送ったことに対しては、遺憾の意を表明いたします。裁判長におかれては、これまでの証拠から公平かつ賢明な判断を下されることを強く要望し、私たちはなお一層この裁判に注目していくことをここに表明するものです。

  三井マリ子さんは、大阪府豊中市の男女共同参画推進センター「すてっぷ」開設にあたって全国公募で館長に選ばれました。しかし、組織体制強化に名を借りた豊中市の“館長常勤化策”によって、2003年度末で雇止めされました。背景には、旧来の性別役割分担に固執する市議らの執拗な「すてっぷ」や三井館長攻撃(バックラッシュ)がありました。豊中市は、2003年秋以降密かに後任館長探しに奔走し、年末には桂容子さんに決めていました。ところが、年明け後に茶番劇のような選考試験を行い、受験した三井さんを不合格としました。この一連の経緯に対して、三井さんは2004年12月17日、豊中市と「とよなか男女共同参画推進財団」を相手取って損害賠償の訴訟を起こしました。

  証人尋問で、高橋叡子理事長は、理事長職に6年もありながら「私は男女共同参画の専門ではない」と逃げたり、民間法人である「すてっぷ」職員の任免権は理事長にあるはずなのに「任免権は市長と理事長」としたり、「私の仕事は、事務局長と豊中市からの情報に絶対の信頼を置いて判断すること」などと答え、財団は市の事実上の「植民地」に過ぎないことが明らかになりました。また一村和幸・豊中市議の陳述書によると、桂容子さんは、面接前に本郷和平人権文化部長から、「あなたしかいない。面接は形式的なもの」と聞かされ、館長候補は自分ひとりであり、形だけの面接だと認識していました。

  一方、豊中市は「面接は公正に行われた」と証人尋問で弁明していますが、偽証罪にもなりかねない重大な矛盾をはらんでいます。さらに財団は「一村市議の陳述内容は不正確だ」などと言い出しました。しかし、どの部分がなぜ不正確かは言っておらず、桂さんの証言内容が注目されます。

  この事件の特徴は、「男女共同参画」を進める責務を負う豊中市がバックラッシュ勢力に屈した結果、身を粉にして働いてきた三井館長をだまし、使い捨てたことです。それは三井さんが非常勤という非正規職員だからでした。非常勤なんて大した仕事をしていないのだから首は簡単に切れる、と豊中市は言いたいらしいのです。非正規社員は大した仕事をしていない、だから使い捨てOKと思っている会社は多数ありますが、豊中市はこうした差別的企業と酷似しています。その意味で、この裁判は「21世紀の奴隷解放運動」(三井)です。また、今、全国各地の自治体や議会で起きている男女共同参画推進に水を差す反動的動き(バックラッシュ)を象徴する事件でもあります。

  日本の労働法をも変える勢いで挑む力強い弁護団と、原告の三井さんを支えながら、私たちは勝利めざして最後までがんばることを期し、声明を発します。

 

 館長雇止め・バックラッシュ裁判を支援する会(略・ファイトバックの会)
代表・上田美江

  

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