声   明
                                      

2007年6月6日

 本日、「館長雇止め・バックラッシュ裁判」は結審となりました。

 三井マリ子さんは、大阪府豊中市の男女共同参画推進センター「すてっぷ」開設にあたり、全国公募で館長に選ばれました。しかし、2003年度末、雇止めされました。

 豊中市が三井さんを雇止めした名目は「男女共同参画推進条例制定後、すてっぷの組織体制を強化するため」でした。しかし、すてっぷが強化などされていないことは、火を見るより明らかです。

 実はこの雇止めの背後には、旧来の性別役割分担に固執する市議らとその仲間の執拗な攻撃(バックラッシュ)がありました。議会内外でのバックラッシュ勢力の猛攻を受け、豊中市は男女共同参画推進条例案上程をいったん断念。半年後の2003年秋には、何が何でも成立させねばと意気込んでいました。

 そこで、豊中市は同年夏頃から、条例案に賛成してもらうことと引きかえに三井さんの排除を画策し、一方では、後任館長探しに奔走しました。年末には桂容子さんに決定しながら、年明け後に形だけの採用試験を行い、受験した三井さんを不合格にしました。この一連の経緯に対して、三井さんは2004年12月17日、豊中市と「とよなか男女共同参画推進財団」を相手に損害賠償の訴訟を起こしたのです。

 証人尋問で、豊中市の部長やすてっぷの事務局長らは、これまでの弁明を繰り返しただけでした。しかし、今年2月、私たちの粘り強い運動もあり、証人台に立った桂さんは、豊中市から「三井館長は常勤が無理、あなたしかいない」という嘘を告げられたことや、「候補などとは言われてない。組織図を見せられ、ここ(トップの職)をやって下さいと言われた」とも証言しました。

 弁護団の緻密で明晰な論理や、桂さんの証言から、被告らがいかに欺瞞に満ちた行為をしてきたかが明らかにされました。

 私たちがこの裁判に注目し原告を支援するのは、この裁判が女性にとって非常に重要な問題を2つ含んでいるからです。

  1 「非常勤職への差別撤廃」:館長といえども非常勤という雇用形態であればいとも簡単に使い捨てられてしまうことが多くの女性と酷似しています。この裁判に勝利し女性の労働権の侵害をなくしていく大きな一歩にしたいと考えているからです。

  2 「バックラッシュの根絶」:近年強まっているバックラッシュは、豊中市だけの問題ではありません。バックラッシュをなんとしてもはね返し、女性と男性が平等に生きられる社会に一歩でも近づきたいと思っているからです。

 女性差別の撤廃と男女平等を進める拠点として作られたはずのセンター「すてっぷ」。その職場でこのような首切りが行われたことを、私たちは決して許すことはできません。私たちは、泣き寝入りせず闘いを挑んだ三井さんを全力で支えている弁護団とともに、この裁判の勝利を勝ち取るべく、最後まで頑張ります。以上、ここに宣言します。


館長雇止め・バックラッシュ裁判を支援する会(略・ファイトバックの会)
代表  上田 美江

(〒530-0047 大阪市北区西天満2−3−16絹笠ビル1F 大野協同法律事務所内
     Tel06−6365−5215 Fax06−6365−5550)


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