三井マリ子さんの、バックラッシュ裁判を支援しよう
この裁判をきっかけに、女性政策のあり方をしっかり考えよう・・・・(正路怜子)

みなさん、すでにご存知のように、2004年12月17日、豊中市の女性センター「すてっぷ」の初代館長だった三井マリ子さんが、豊中市(市長・一色貞輝)と財団法人とよなか男女共同参画推進財団(理事長・高橋叡子)相手に、1200万円(慰謝料と弁護士費用)の損害賠償請求裁判を提訴した。
彼女は、2000年9月1日にすてっぷ館長として雇用され、北欧の人を呼んだり、ジェンダー問題講座を開いたり、フェミニスト英語塾をやったりと、華々しい成果をあげてきた。それにびっくりしたバックラッシュ勢力が、豊中市の女性行政にイチャモンをつけ、豊中市や女性センターや彼女自身への嫌がらせを執拗に繰り返した。また、「ジェンダーフリー反対」「専業主婦がどうしてダメなのか」「お父さんは仕事より育児を大切にしないといけないらしい」「『すてっぷ』のトイレはなぜ男女の区別をわかりにくくしているの」といったビラを市民向けにまいた。
2002年7月の議会では、北川悟司議員が宇部市の条例を引き合いにだし、東京女子大学の林道義教授の論文から「ジェンダーフリー運動は、その勢力が周到に遂行している革命戦略の一貫であり、男女平等やジェンダーフリーという言葉を隠れ蓑として利用しているにすぎないこと、男女共同参画社会基本法を盾に、学校教育を握って子どもの洗脳をもくろみ、家族を破壊し、日本を腐食させる隠された革命戦略である、これを暴き警告を発したい」といった内容を紹介した。(訴状より)
日本会議のホームページに載っている典型的なバックラッシュ攻撃である。
これにたまりかねた豊中市と財団は、三井マリ子さんをスケープゴートにして、この嵐を避けようとしたのである。今まで非常勤だった館長を常勤化するという名目で、彼女に試験を受けさせて不合格とし、3月31日で労働契約期間満了による雇い止め、つまり、彼女は首になったのである。
有名な彼女のことだから、いくらでも大学での講師の口はある。しかし、彼女はあまりにも理不尽なこの茶番劇を許せなかった。ここでバックラッシュ勢力に譲歩したら、次々に難題を持ち出すに決まっている。男女平等政策は、まだまだ緒に就いたばかりである。
裁判は、バックラッシュに屈した豊中市と財団が相手ではあるが、本当の敵はバックラッシュ派の人々である。彼女の裁判をきっかけに、改めて男女平等とは何か、女性政策とは何をすることなのか、女性センターで働く人たちが将来展望のもてない仕事内容や労働条件でいいのか、みんなでしっかり議論したい。(裁判の経過はホームページ参照 )
2005年は「北京+10」である。2月28日から3月11日まで開かれる国連女性の地位委員会では、北京行動綱領の到達点と課題が議論される。実は国際的にもバックラッシュの波がきついというので、WWNからも、急遽6人のメンバーが参加する。
こんな時に、三井さんがバックラッシュに負けたくないと立ち上がったのだ。みんなで意志統一をして、平和と男女平等を守るために頑張ろう。何せ、バックラッシュ派の人たちは、「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーと見事に重なっているのだから。下記の報告会にぜひお越しください。なお、彼女は、住友電工裁判の解決金でつくった「働く女性の平等への挑戦基金」の第一号活用者。

2005年1月29日(土)14時から17時
クレオ中央 多目的室
(電話06-6770-7200 地下鉄谷町線「夕陽丘」下車 出口 北東へ3分)
報告者 三井マリ子、寺沢勝子弁護士、大野町子弁護士、川西渥子弁護士
主催 ファイトバックの会(代表 上田美江  連絡先 06-6365-5551大野協同法律事務所気付)


トップへ戻る
トップページへ

Copyright(C)ファイトバックの会All rights reserved.