三井マリ子さん、「バックラッシュに屈した」豊中市相手に裁判-----------住友電工男女差別裁判の解決金をもとに発足した「働く女性の平等への挑戦・裁判基金」の第1号活用者

正路怜子

日本の各地に吹き荒れているバックラッシュに対抗するために、また女性が圧倒的に多い非常勤の権利拡大のため、三井マリ子さんが、2004年12月17日、裁判に立ち上がった。
三井マリ子さんは豊中市の女性センター(正式には「とよなか男女共同推進センターすてっぷ」)の非常勤館長だった。しかし、2004年2月、組織強化の名の下に非常勤から常勤に変わった。その常勤館長に応募した三井さんは、不公平な採用試験の結果、不合格とされた。実は、試験の2ヶ月前、次期館長は極秘に決まっていたのである。結果として、三井さんは雇い止め、つまり、解雇された。
全国公募による初代館長として三井さんは、2000年秋のオープン以来、先進的な企画を次々と実践し、日本中から注目される成果をあげてきた。これに驚いた一部右翼的な議員を中心としたバックラッシュ勢力は、彼女を任命した豊中市の責任を問い、三井さんや女性センターへの嫌がらせを繰り返した。この攻撃に豊中市と財団は、バックラッシュ勢力に対峙するどころか、逆に彼女をスケープゴートにして、バックラッシュの嵐を避けようとしたのである。
男女共同参画は21世紀の最重要課題だ。国の方針として日本の隅々まで、男女平等を推進するために各地で平等推進条例作りが進められている。豊中市は、過去の男女役割分担に固執している、ものわかりの悪い議員や住民を、先頭に立って啓発すべき責務を持つ。ところが、なんとか事態を切り抜けたいと、妥協に妥協を重ねて、男女平等推進の中心に立ってがんばってきた三井さんを排斥する側に回ったのである。三井さんは館長であったが、非常勤だったので首を切りやすかったのだ。
戦後60年、男女平等と戦争放棄の憲法を持ったこの国に、いまだに根強く残る草の根保守主義と対峙し、本当の民主主義を確立するために、みなさん、ともに頑張ろうではありませんか。行政の役割を問い、有期雇用という不公平な女性の働き方を問うこの裁判を、みんなで応援しましょう。詳しくはhttp://fightback.exblog.jp/参照。(正路怜子/WWN会長)

2005年1月29日(土)2時から、クレオ中央で第1回報告会が開かれます。
連絡先=大野協同法律事務所気付「館長雇い止め・バックラッシュ裁判を応援する会」(略称・ファイトバックの会・代表=上田美江) 
電話06−6365−5551 FAX06−6365−5550 Email: fightback@hh.fem.jp


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