女性センターを考える会:年内で活動に終止符 三井マリ子さんが講演 /富山

◇女性政策研究家・三井マリ子さん、「締めの会」で講演

毎日新聞記事

毎日新聞記者 青山郁子


 富山市湊入船町の県民共生センター(開館当時は県女性総合センター)の建設をきっかけに発足した「女性センターを考える会」(大津典子代表世話人)が、今年で活動を終了することになった。「締めの会」としてこのほど同センターで女性政策研究家、三井マリ子さんの講演会があった。

 考える会はセンターを建設する際、利用する県民の声を反映させたいと95年に発足。97年の開館後は、ゆるやかなネットワークとして情報収集や情報交換しながら月1回会報を発行してきたが、昨年120号を数えたのをきっかけに会の活動を終了することになった。この間、女性議員を増やすためのキャンペーンや、県への申し入れなどさまざまな活動を展開。今年1年間かけて、これまでの活動を振り返ることになった。

 三井さんは00〜03年、大阪府豊中市男女共同参画推進センターすてっぷの館長を非常勤で務めたが、04年に管理する財団法人の理事会が「館長を常勤化する」などと組織変更。改めて採用試験を受けたが不合格となった。解雇について「合理的な理由がなく雇用の継続を拒まれた」として同年、財団法人を相手取り損害賠償を求めて大阪地裁に提訴。今月結審し9月12日に判決を迎える。

 三井さんは、女性の地位向上、男女平等を阻もうとする「バックラッシュ」の勢力が全国的に盛り上がり、館長在任中にも再三にわたって悪質な嫌がらせを受けてきたという。対処する方法は「政策決定の場である議会に女性議員を増やすしかない」と主張した。

 また女性の進出が著しいドイツや、ノルウェーでの女性センターの存在を解説。建物はシンプルながらDVの避難所であったり、女性の起業家を育成している現状を紹介した。女性を取り巻く環境を変えるために女性センターがあるべきだとし、「活動拠点として石にかじりついても維持していくべきだ」と訴えた。

 大津さんは「女性議員も増えるなどそれなりの成果はあげられた」とし、今後は会の活動を記録に残すことなどを検討している。



 

出典:『毎日新聞』富山版(2007年6月28日(木))


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