報告
「世界一住みやすい国ノルウェーに学ぼう!」 三井マリ子講演会

クオータ制の実現をめざす会(岡田夫佐子

 2009年11月21日、なごやボランティアNPOセンターで、「世界一住みやすい国ノルウェーに学ぼう!」がクオータ制の実現をめざす会の主催で開催されました。名古屋の地で女性運動を担ってきた方々やノルウェーを研究している学生など40人余りの参加がありました。

 講演は、パワーポイントによるノルウェーの映像と共に進み、日本と事情の異なるノルウェーの選挙、教育、地方自治のシステムが終始分かりやすく展開されていきました。
視覚と聴覚の両方からの新鮮な情報に、あっという間に1時間半が過ぎてしまいました。

 男女交互に並ぶ国会議員候補者名簿、主要7政党の4党首が女性の記者会見、女性たちだらけの選挙運動、小学生の男女混合サッカーチーム、おもちゃのキッチン台で遊ぶ男の子、子育て中の大学生シングルマザー、政治家に堂々と質問する女子高生など。日本では全く見かけない光景に、“これが男女平等!”との強い印象が残りました。

 でも、これらの光景が突如出現するはずはありません。ノルウェーの女性たちによって闘いとられてきたのです。男女同一価値労働同一賃金を求めるノルウェー看護協会による新聞の全面広告は、組合員が出したお金で紙面を買ったものだということです。9月の社会民主政権の続投は、福祉と平等を求める人たちがお金も労力もかけて勝ち取ったのです。ノルウェーといえど棚からぼた餅ではない、ということを繰り返し、三井さんは強調していました。

     
子育て中のシングルマザーは大学生
政党の4党首が女性

 最後にもう一点、国民、その中でも女性と政治の身近さに驚きました。とくに選挙に立候補するにあたり、候補者は1円もお金を出さなくていいこと。日本で、衆議院に立候補すると、小選挙区300万円、比例区600万円を納めなくてはなりません。
この差は大きい! 賃金を抑えられている日本女性の立候補が少なく、ひいては女性と政治の距離が遠いのも当然なのです。ノルウェーの地方議会の映像も忘れられません。男女半々の議員数、車座になった長いすで顔を見合わせての議論、誰もが普段着、手作りらしき素朴な演台・・・。まさに日常生活の延長上にある地方議会の映像に、さぞや生活に密着した論議がなされるに違いないと思いました。

(注:ノルウェー王国大使館に報告した文章の転載です)
(写真撮影・提供:三井マリ子さん)

出典:『ワーキング・ウーマン:男女差別をなくす愛知連絡会』     
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