呼びかけ文               

館長雇止め・バックラッシュ裁判


大阪府豊中市は男女平等に反対する勢力に屈して、女性センター※館長である三井マリ子さんを雇止めしました。事実上の解雇でした。三井さんは、その不当性を世に訴えるために裁判を起こしました。関西の女性弁護士の皆さんを中心に強力な弁護団も結成されました。私たちは三井さんを応援する会を立ち上げました。ぜひご参加ください。

●全国公募による初代館長
 『すてっぷ』は、女性センター設置を願う豊中市民の声を受けて市民との共同作業で作り上げた男女平等推進のための施設です。初代館長(非常勤)は、全国公募により選ばれた三井マリ子さんでした。2000年秋に就任して以来、男女平等を根づかせるために独創的な企画を次々に打ち出し、多くの女性たちからはもちろんのこと、豊中市からも高く評価されてきました。

●バックラッシュ攻撃と豊中市の変化
ところが02年秋頃から、『すてっぷ』や三井館長への執拗な攻撃が目立つようになりました。市議会議員の度重なる嫌がらせ質問、すてっぷ窓口への妨害行為、市役所周辺での悪質なビラ撒き、講演会における難癖、根も葉もない噂の流布……こうした攻撃をする勢力は、男女平等を敵視し、旧来の固定的性別役割にこだわります。そこで主に男女共同参画を進める行政をターゲットに、全国的組織を使って攻撃をしかけてきます。このような現象は、世界的にバックラッシュ(反動・逆流)と呼ばれます。市当局は、当初はバックラッシュに対峙する姿勢を見せましたが、03年の秋頃になると、三井館長の排斥を画策するようになりました。

●就業規則を改悪し雇止めしたかった
もう一つ問題がありました。『すてっぷ』就業規則によれば、館長を含む嘱託職員は、よほどの失態がない限り何回でも更新が可能です。館長は定年がなく、他は定年を60歳としています。ところが、市は、03年夏、館長を除く嘱託職員の就業規則を「更新回数の上限を4回とする」に改悪する案を出してきました。嘱託職員は全員女性であり、これは女性差別です。市は、この雇止め案を強行すれば反対することが明らかな三井さんを排除したかったのです。三井さんは管理職であるものの非常勤職員として雇われており、自分自身の問題でもありました。

●不公正な採用試験
04年2月1日、市は臨時に『すてっぷ』財団理事会を開き、「組織強化」の美名のもとに「非常勤館長を廃止し、館長は事務局長兼務の常勤職」としました。この常勤館長職は公募とせず、採用選考委員会で選考することも決めました。三井さんは、あえて採用試験を受けたいと申入れました。2月22日、三井さんは採用試験に臨みましたが、不合格でした。
実は、市は03年秋頃から極秘に後任館長の人選を進め、採用試験2ヶ月前の03年12月には次期館長を決めていました。採用試験は茶番劇でした。

●これは女性差別と闘う裁判
豊中市は非常勤館長廃止と常勤館長採用拒否をセットにする姑息な手口で、三井さんを“解雇”したのです。
女性の地位向上政策を遂行するべき豊中市が、バックラッシュ勢力に屈し、かつ非正規職員の雇止めを強行するために、非常勤職の女性の首を切ったのです。これは女性差別、非常勤職差別と闘う裁判です。バックラッシュに反撃するための裁判でもあります。ぜひご支援ください。

※正式名は「とよなか男女共同参画推進センターすてっぷ」


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