使い捨てにされてたまるか!

三井 マリ子(館長雇止め・バックラッシュ裁判原告)


大阪地裁へ向かう弁護団・支援者と原告(左から3人目)
2005.2.2 大阪地裁前にて  撮影:岡橋時子


 2004年3月、豊中市は、私の職場だった「すてっぷ」から、館長である私を抹殺しました。これに対して私は、その年の暮、大阪地裁に提訴しました。私の主張は「雇止め、採用拒否は何ら合理的理由がなく、憲法13条、14条、女性差別撤廃条約、男女共同参画社会基本法、豊中市男女共同参画推進条例の基本理念、目的、財団の設置目的に違反して無効であり、不法行為を構成する」というものです。
 なぜ豊中市は、私を排除したのか。目的は2つあったと思います。ひとつは、バックラッシュ勢力の陰湿な攻撃に屈したから。そして非正規職員を使い捨てにしたかったからです。詳しくは『WWNニュース38号』をお読みください。
 第1回、2回の口頭弁論が終わり、被告豊中市と財団は、原告側の主張を否定しました。
 私が最も悔しかったのは、「非常勤館長としての原告の仕事には、継続的・長期的取り組みが必要であるとされていたものはなかった」と被告側が述べた点です。非常勤である私に「継続的・長期的」仕事は期待してなかった、非常勤館長なんて大した仕事をしてない。だから首は簡単に切れる、と言いたいらしいのです。
 女性は大した仕事をしていない、だからいつでも使い捨てOKと思っている会社は日本にたくさんあります。豊中市はこうした性差別的企業と酷似しています。私が訴訟を決意したのも、まさにこの点が許せなかったからです。
 では、私が館長としてやった仕事はそんなに軽かったのでしょうか? 継続性も長期的展望もなかったのでしょうか? 
 世界一の男女平等国家ノルウェーから、大臣級の男女平等オンブッドをわざわざ豊中市のために呼んできたのは誰なのか? 女性議員輩出策の世界的切り札といわれるクオータ制を世界で初めて実践したオスロ大学教授(同国初の女性党首)をわざわざ豊中市のために呼んできたのは誰なのか?「英語でエンパワーメント」で、館長自ら教科書と指導要領を作り講師も務めた、あの企画は誰が立てたのか? 世界の女たちの置かれた状況を雄弁に伝えるポスターの展示。北欧で自ら買い求めたDVシェルターのビデオ映像の紹介。これらはそんなに軽い仕事だったのか?
 しかし、情熱を傾け誠実に働き続けた私は、非常勤職ゆえ、嘘と謀略に振り回された挙句に使い捨てとなりました。先進諸国では、このような使い捨ては、過去のものとなりつつあります。私はがんばります。みなさん、応援してください。

                           (05年3月31日)

                           (WWNニュース 39号)


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