『陳述書』感想 3

■解雇がいかに不当なものかを余すところなく証明

秋葉 泰子(東京都東久留米市)

 「陳述書」を読み三井さんの解雇がいかに不当で、理不尽なものであるかが余すところなく証明されたと思いました。ほんの一握りのバックラッシュ勢力によって翻弄され、ウソをついたり、人を騙したりしてまで三井さんを辞めさせようとした行政の情けない実態が浮き彫りにされたと思います。また非常勤職員の不安定な身分、これこそ差別でなくてなんでしょう。パートでも5年を越えて働いた場合、簡単には雇用の打ち切りが出来ないからと就業規則を変えようした事実は、裁判官にも「おかしい」と思わせるところではないでしょうか。また組織強化に名を借りて、労働組合(または働いている職員)の同意なしに職員体制を勝手に変更できるのかどうかも疑問です。さらに有期雇用という仕事は一定期間にその事業が終了する場合にのみ採用が許されていたはずです。が、いつの間にか悪用され、雇用主の都合で拡大解釈されるなら、かっての若年定年制の時代に逆戻りです。なにが男女共同参画社会でしょうか!

 「すてっぷ」での三井さんの活躍、実績をみても、安い報酬にもかかわらずよくここまでがんばったと思います。それでも首を切るのですから、何が能力かと言いたくなります。三井さんの裁判の意義は、最終章「私はなぜ提訴したか」に明快に書いてあります。つまり、今の男女平等の流れを逆行させようとする政治勢力と、身分不安定な労働に追いやられている多くの女性たち、この二大問題を解決する裁判です。だからこの裁判に勝利することは計り知れない成果をもたらすことでしょう。同じような闘いに取り組んでいる女性たちと幅広く連帯し、世論を喚起することが一番力になると信じます。



■壮絶な苦しみの中、事実を冷静に整理していった文書

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