実りの秋にありがとう!「働く女性の裁判基金」

三井マリ子(すてっぷ初代館長、控訴人) 

 吉報を2つお知らせします。

 「働く女性の裁判基金」を授与されました。そして、浅倉むつ子早稲田大学大学院教授が、感動的な「意見書鑑定書」を高裁に提出してくださいました。実りの秋にふさわしい物心両面の贈り物です。

 「働く女性の裁判基金」は、住友電工裁判の和解金で新設されました。女性差別賃金の差額を求める訴訟は、2004 年、大阪高裁で勝利的和解が成立。「会社は原告に1 人500 万円を支払い、原告を昇進させること」という画期的内容でした。 原告の西村かつみさんと白藤栄子さんの不屈の闘志、そして、ワーキング・ウィメンズ・ネットワークWWNの支援運動の賜物でした。

 私が提訴した時、「働く女性の裁判基金」から初の資金を授与され、今回は2度目です。この浄財は、女性の権利獲得に命をかける当裁判の弁護団への着手金と、控訴審への納付費用に使わせていただきました。

 ふりかえってみますと、2004 年春、すてっぷ館長の座を追われた私は、住友電工裁判を勝利に導いた宮地光子弁護士の事務所の呼び鈴を押しました。その後、私は、弁護団に支えられながら調査を開始します。そこで、館長の知っておくべき重要な情報を徹底して隠され、「三井は辞める」との嘘を流され、豊中市から派遣された私の部下である事務局長に「(次期館長は)第一義的には三井さんです」と騙され、その揚句に豊中市から排除された、ということがわかってきます。そして2004 年末、提訴したのです。

 残念ながら1審は敗訴でしたが、ただ今、逆転勝訴に向けて控訴中です。私が勝訴した暁には、次に闘う女性が使えるよう「働く女性の裁判基金」にカンパできます。住友裁判の闘いの炎を、バックラッシュと非常勤雇用裁判の闘いへとリレーし、また次の女性に手渡す。こう思うと、辛いこともありますが、闘志が湧 いてきます。

 浅倉教授の意見書を読んで心が震えました。バックラッシュ勢力のいやがらせや暴力的言動に対して豊中市らは、三井を支援する対応策をほとんどとることなくむしろ矢面に立たせてきた……それは「労働契約上の責任を問われてしかるべきもの」というのです。ところが豊中市は自らの責任を棚上げにし、誠実に職務 を果たしてきた私をうとましく思うようになり、排除を企図した……そしてさらに「公平さを装うために常勤館長採用選考面接を三井にも受けさせて、すでに決 まっていた候補者を合格させて同人を排除した」と結論づけています。

 最後になりましたが、皆さんからのカンパも本当にありがとうございます。「働く女性の裁判基金」と浅倉教授の意見書そして皆さんの支援を糧に、控訴審の 終盤に向けてがんばります。働く女性が差別されずに生きられる、そんな社会をめざして。

 

出典:「ファイトバック!」第9号 (館長雇止め・バック
ラッシュ裁判を支援する会、2008年11月15日発行)
全文は「ファイトバック!」バックナンバーのページからどうぞ

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